武者人形「五月の舞」は、平安時代の武将「源義家」が端午の節句に舞を披露している姿を、木目込み人形で再現したものです。
源義家の鎧兜を再現した五月人形はありますが、源義家その人を表した五月人形は、あまり見かけませんね。
また、通常の五月人形は、兜を被ったり、弓太刀を傍らに置いたり、まさかりを担いだりと、何とも勇ましい姿です。
一方この「五月の舞」は、英雄豪傑を題材にしている武者人形であり、弓を構えてはいるものの、何とも優美で繊細な印象のお人形です。
武者人形ですから、五月人形としては勿論ですが、時期を選ばず一年を通してお飾り頂く事ができますよ。
さて、源義家は「天下第一武勇の士」と呼ばれ、弓矢をひくのがとても上手かったといいます。
また歌才もあり、文武両道の人物として後世まで慕われている人物です。
源義家が陸奥国にて、桜が散るのを見て読んだ歌が伝えられています。
「吹く風をなこその関と思へども道もせにちる山桜かな」
訳:「来る勿れ(来るな)」との名を持つ勿来の関であるのだから、吹く風も来ないでくれと思うのだが、道をふさぐほどに山桜の花が散っているよ。
様々な伝承を残す豪傑ながら、文才のある繊細な心の持ち主であった事が偲ばれますね。
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