
頭中将
藤原仲文は、平安中期の公卿。
また、歌人でもあった人物です。
三十六歌仙のうちの一人で、天皇や上皇の命令によって編集された『勅撰和歌集』に彼の歌は8首ほど入集しています。
彼の歌をひとつ紹介したいと思います。
ながれてと契りしことは行末の涙の川を言ふにぞありける
『勅撰和歌集』は全部で21巻あるのですが、20巻の新後拾遺に入集している歌です。
この歌は、将来を誓い合っていた女性が亡くなってしまった際に、そのご兄弟に贈った歌です。
通釈は・・・。
「月日が流れたのちいつまでも」と思い、あの人と約束を交わしましたが、「流れて・・・」というのは、将来、涙の川が流れることを言っていたのですね。
「ながれて」は「泣かれて」に掛けられ、「涙の川」はとめどなく流れる涙を川にたとえています。
歌だけでなく、歌を贈った経緯も合わせてみてみると、感慨深いものがあります・・・。
そんな歌を作った藤原仲文を木目込み人形キットにしたのがこちらの『藤原仲文』です。
腰をかけ、足を崩してゆったりと座る貴公子。
衣裳は淡い水色と白で、爽やかな印象です。
朝廷に出仕するときにかぶる冠や、気品あふれるその表情など、各所に高官らしさが表現されています。
身分高く、歌も歌える男性。
当時の女性達は放って置いてはくれなかったんじゃないでしょうか。
多くの歌が詠まれた平安時代、その一つ一つに思いを馳せながらこちらのキットを木目込んでみてはいかがでしょうか。