小野小町(1)

小野小町と聞くと、どんなことを思い浮かべますか。

小野小町は、平安時代の女流歌人です。
彼女の歌は百人一首にも選ばれています。

真多呂人形では、「小野小町」人形を製作・販売しています。
十二単を着て、手には豪華な衵扇(あこめおうぎ)を持っています。
高さ39cmなので、とても迫力があります。

小野小町の詠んだ歌ってどんな歌でしょう。

「あ、知ってる」って皆さんが思うような歌を、紹介します。

「花の色は 移りにけりな いたづらに
我が身世にふる ながめせし間に」(百人一首)

訳:花の色は色あせてしまったなあ。私がいたづらに
この世に身を置き、むなしく時を経ながら、
物思いをしている間に…春の長雨が降っていたその間に。

「ふる」は、「経る」と「降る」の掛詞。
「ながめ」は物思いにふけるという意味です。
「長雨」と掛詞になります。

掛詞って何だろう、という人に…

掛詞とは、一つの言葉に二つの意味を持たせる技法のことです。
例えば、「よ」だったら、「夜」と「世」の二つの意味をあてはめることができますよね。

この技法を使うことによって、短い歌の中で、より多くの意味をもたせることができるんですね。

この歌では、花の色があせてしまったと嘆く歌ですが、「花と同様に、世の中にいたづらに身を置いている間に、自分(小野小町)の美しさもあせてしまった」と虚しく思う気持ちが入っている、という見方もあるようです。

どうでしたか。なんだか国語の授業を思い出して懐かしくなりませんでしたか。

次回も小野小町の歌をとりあげます。
また見に来てくださいね。