15人飾りの並べ方を例に、雛人形の道具についてご紹介します。(横の写真は芙蓉雛15人揃です。)
三段目は楽人もしくは五人囃子で、お道具がありませんので、四段目に並べるお道具をご紹介します。
この段には、武家の婚礼道具をミニュチュア化したものが並びます。
江戸時代、大名の婚礼には、通例、婚礼調度と同じデザインの雛道具が調えられました。
従ってその製作には大変に手がかけられ、大名家などでは、女の子が生まれると、すぐさま雛道具の準備に取り掛かったとも言われています。
泰平の続く中、華やかな世界にあこがれた一般の人々も、これにならい、競って美しい雛道具を求めるようになりました。
そのため、雛道具の細工にもいっそう拍車がかかり、あまりの過熱ぶりに幕府が禁令を出したほどでした。